どうも、とむむです。
先週、Chromebook関連で非常に残念なニュースが飛び込んできた。
アプリを起動するとサポートとアップデートを終了したとのメッセージとともに、「Office.com」への移行を促すダイアログが現れる。 移行を促すダイアログで［今はしない］を選択すればアプリの利用を継続することは可能だが、いずれは利用できなくなるかもしれない。
上記の記事によると、今はまだ使えるとのことだった。
では、実際にいつ使えなくなるのか、使えなくなった後にどうすればいいのかを調べてみた。
Android版MS OfficeアプリのChromebookサポートはいつ終わるの？
記事には日付がない
米Microsoftは「Microsoft Office」や「Outlook」、「OneDrive」といったAndroidアプリのChromebook対応を終了する。
前述の記事には、いつ終わるのか書かれていない。
公式にも日付がない
MSのOfficeサポートページの記載は以下の通りだ。
おや、日付どころか、現在 Chromebook ではサポートされていません。になっている。w*1
海外の情報を探ってみる
About Chromebooksという素敵なサイトに情報があった！
MSの広報担当者から以下のメールをもらったとのこと・・・
“In an effort to provide the most optimized experience for Chrome OS/Chromebook customers, Microsoft apps (Office and Outlook) will be transitioned to web experiences (Office.com and Outlook.com) on September 18, 2021. This transition brings Chrome OS/Chromebook customers access to additional and premium features. Customers will need to sign in with their personal Microsoft Account or account associated with their Microsoft 365 subscription. More information is available here.”
翻訳するとこんな感じだ。
ChromeOS / Chromebookのお客様に最適なエクスペリエンスを提供するために、2021年9月18日にMicrosoftアプリ（OfficeとOutlook）がWebエクスペリエンス（Office.comとOutlook.com）に移行されます。 この移行によりChromeOS / Chromebookのお客様は、追加のプレミアム機能にアクセスできます。 お客様は、個人のMicrosoftアカウントまたはMicrosoft365サブスクリプションに関連付けられているアカウントでサインインする必要があります。 詳細については、こちらをご覧ください。
2021年9月18日*2に、Android版MS OfficeアプリのChromebookサポートが終了するらしい。
メールの本文は一見すると良さげな風に書かれているが、ChromeOS / Chromebookのお客様に最適なエクスペリエンスを提供するためにAndroidアプリの提供を止めるというのか・・・。
Android版MS OfficeアプリのChromebookサポートが終わったらどうなるのか？
Web版のOffice.comを利用する
アプリを起動した時の案内の通りだが、Android版MS Officeアプリが完全に使えなくなったらWeb版のOffice.comに移行するしかないのだろう。
ちなみに、先程の記事によると以下のようなことも書かれていた。
To further clarify, sources tell me that Office on Android isn’t going away.
さらに明確にするために、情報筋によると、Android上のOfficeはなくなることはありません。
そりゃAndroidの市場は大きいし、iOS/Androidのアプリから撤退することはないよなぁ。と思う。
にも関わらず、Androidアプリが動作するChromebookだけサポートを打ち切るというのは、Windows11のリリースを前にコロナ禍で台頭してきたChromebookを先に叩いておきたいという思惑が見え隠れしているように思えてならない。。
職業柄、Office.comとGoogle Workspaceの両方を使う機会が多いのだが、使い勝手の良さで言えば、Google Workspaceの方が二歩三歩先を行くイメージだ。
Office.comも少しずつ改善されてきているが、未だにデスクトップアプリケーションを開かないと文書の一部を変更できないことがあったりするので、機能的な面で明らかに足りていないところがある。*3
なので、MSやOfficeが大好きで日頃からOffice.comを使いこなしている人でない限りは、Office.comへの移行は正直オススメできない。
LinuxコンテナでLibreOfficeを利用する
Android版のMS Officeアプリが使えないのなら、Linux版のLibreOffieを使えばいいじゃない！
Linux版LibreOfficeのインストール方法
ということで、サクッとインストールしてしまおう。
LibreOfficeは以下のコマンドでインストールできる。*4
$ sudo apt install libreoffice libreoffice-l10n-ja -y
LibreOfficeを起動しよう
インストールが完了したら、ChromeOSランチャーのLinuxフォルダにアプリのショーットカットが作られる。*5
上記のLibreOfficeのアイコンをクリックしよう。
無事起動したのでバージョンを確認してみると、6.1.5.2だった。*6
追記（2021/09/03）
ChromebookのDebianを11へアップグレードすれば、標準パッケージでLibreOffice7.0系が利用できる。
ご参考まで。
LibreOffice Writerを使ってみる
では、実際にLibreOffice Writerで文書を作ってみる。
日本語フォントが入っていれば、ちゃんと日本語も表示できるぞ。
ちなみに、Linuxコンテナ上で日本語入力するためには、Linux版のmozcをインストールする必要がある。
手順をここで紹介すると長くなるので、近々、Chromebook活用術のエントリーを書きたいと思うので、その時に紹介させて欲しい。
まとめ
今回の件で改めて思ったことは、MSにとってChromeOS/Chromebookが無視できない脅威として認識されてきているのではないかと思われることだ。
最近のMSはLinuxに力を入れたり、オープンソースのコミュニティに貢献したりと、以前の邪悪なイメージは大分削がれてきたと感じていたが、久しぶりにダークサイドを見た気がする・・・。
Android版MS Officeアプリをやめるわけじゃないんだから、非サポートでもいいから使えるようにしてくれたらいいのになぁ。と思うが、こうなった以上は再びサポートされる日を待つしかないのかも知れない。*7
でも、MS Office難民になるかも・・・と思った人は安心して欲しい。
ChromebookにはLinuxコンテナがあり、MS Office互換のLibreOfficeも使えるのだ。
Android版MS OfficeアプリがChromebookで使えなくなることは残念だが、ChromeOS/Chromebookユーザは創意工夫で乗り越えていこうではないか！
