Ubuntu Touchはいいぞ! Google Pixel 3aでOTA-19を動かしてみたー‼
どうも、とむむです。
先週、Google Pixel 3aを今更購入したエントリーを書いたが、Pixel 3aを入手した目的の1つであるUbuntu Touchを試してみた。
色々とハマりポイント*1はあったものの、、Ubuntu Touchのインストール及びセットアップが完了したので、まとめておきたい。
事前準備
インストールするための母艦を用意しよう
Windows or Mac (M1 MacもOK) or Linuxのいずれかを準備しよう。
ちなみに、Linuxの代わりにchromebookを試してみたが、snap自体はインストールできるものの、coreのインストールができず、断念。。。 こんな感じで怒られてしまう・・・。
# snap install core error: system does not fully support snapd: cannot mount squashfs image using "squashfs": mount: /tmp/sanity-mountpoint-156288109: mount failed: 許可されていない操作です.
USB-A to USB-C ケーブルを準備しよう(マジで超重要!)
USB-Cポートを搭載しているPC or Macで「よぉ〜し、USB-C to USB-C ケーブルで作業しちゃうぞ!」という人*2は、まずは心を落ち着かせて欲しい。
大事なことなので結論から言うが、USB-C to USB-Cのケーブルを利用すると確実にハマるので、絶対に使わないこと!!*3
XDA Developersのフォーラムでも可哀想な同志がいる・・・。
Wow, using a USB A to C worked!!
ということなので、必ず、USB-A to USB-Cのケーブルを準備してから、ダウングレードやインストールの作業をしよう!
Pixel 3a をダウングレードしよう
Android 11を利用している人はまずは、Pixel 3a のAndroid 9の最終リリース(PQ3B.190801.002)へダウングレードが必要だ。
*4
factoryイメージを探すのが面倒な人はこちらからどうぞ。
ダウングレードの方法は長くなるので、以下のブログを参考にして欲しい。
インストール
Pixel 3a を準備
ダウングレードの手順と同様に、素のAndroid 9の開発者向けオプションを有効化し、USBデバッグを有効にしよう。*5
インストール用アプリケーションを準備
上のページの How to installで自分の環境に合ったインストーラーを選べばいいんだよね? と思ったあなた・・・普通なら全く間違っていない。
でも、待って欲しい。
なぜなら、、、現在の(2021/10/14時点)最新版である0.9.1-betaと1つ前のバージョンである0.9.0-betaのいずれも、Pixel 3aへのUbuntu Touchのインストールに失敗するからだ・・・。
仕方がないので、2つ前のバージョンである0.8.9-betaを利用しよう。
上記のGitHubからダウンロード可能なので、自身の環境にあったインストールバイナリをダウンロードして欲しい。
インストールアプリケーションの実行
こんな感じで、「新しいバージョンが出てるからダウンロードしてね」と言われるが、まともに動かない新しいバージョンは不要なので、迷わず Dismissをクリックしつつ、進めよう。
基本はインストールアプリに指示された手順通り(Fastboot→Recovery mode)で問題ない。
ちなみに、0.9.1-betaでは、Recovery modeで正常に起動できなかった。
Fastbootでのインストールが終わり、Recovery modeに切り替えた際に以下のような画面が表示されれば、セットアップは順調だ。*6
レビュー
完成度の高さにビックリ!
Pixel 3aは以下のページでも分かるが、機能的にはほぼ完璧の状態だ。
その上、十分に枯れたUbuntu 16.04ベースということもあり、しばらく触ってきたが動作的にはおかしなところはほとんどなく、安定動作している。
これはあまりに普通に動いて若干驚いたが、指紋センサーによる認証によるロック解除も全く問題なく動作する。
基本的な操作方法はiOSやAndroidとは大きく異なる。
アプリの切替は画面の左側からスワイプ、メニューの表示は右側からスワイプする。
実際の動きは以下のような感じだ。これも慣れればこれはこれで悪くない操作感だと思う。
Ubuntu Touchのデフォルトブラウザである「Morph Browser」は Qt WebEngineを利用しているようだ。*7
日本語の表示等も問題なく、動作も比較的軽快で、ブラウザ上からYoutubeも普通に見れた。
SIMカードを入れてみる!
意外なことに、楽天モバイル以外は問題なかった。
会社名 | サービス名 | 回線 | 通信 | 備考 |
---|---|---|---|---|
mineo | Aプラン シングルタイプ | au | ◯ | |
nuro mobile | お試しプラン | Docomo | ◯ | |
HIS Mobile | 国内ピタッ!データプラン(D)マルチ | Docomo | ◯ | |
楽天モバイル | Rakuten UN-LIMIT VI | Rakuten | ✕ | 全く繋がらず・・・ |
au | povo2.0 | au | ◯ |
nuro mobileに接続した感じは以下の通りだった。
今回、povo 2.0は通話も可能なSIMだったが、アンテナピクトは全く立たず・・・回線も検索中の表示が出っぱなしの状態だった。
うまく繋がらないのかなーと思いながら、Wi-Fiをオフにすると、ちゃんとモバイル回線に接続できていたので、少々驚いた。
また、povo 2.0でデータ通信は問題なくできるが、通話は全くできない模様だ。
ちなみに、検索中についてはBluetoothも同様で、unknown...のデバイスがズラズラーと出てきて、接続したいデバイスがどれなのか全く分からないという状況で実質的には使えない状態だった。。。
動作は安定しているが・・・
一応、OpenStoreというiOSのAppStoreやAndroidのGooglePlayにあたるアプリストアがあるのだが、ラインナップ的にはまだまだ貧弱だ。
また、Wi-Fi経由で位置情報を取得する機能がないためか、室内ではGPSが使えないので地図アプリなど位置情報を必要とするアプリが実質使い物にならないという不便な点も目についた。
## まとめ
全体的な所感としては、想像していたよりもちゃんと動くし、今後が楽しみなスマホ用OSだということが分かった。
ただ、現時点で使えるアプリが限定的で、日常的に利用できるレベルに到達するには、越えなくてはいけないハードルが沢山あるという現実を思い知った感じだ。
一応、Androidアプリを動かすためのAnboxというコンテナも存在するので、Androidアプリが動くようになれば、随分と異なる印象を持てるのではないかと思った。
しかし、残念ながら、サポートデバイスにpixel 3aが含まれておらず、 今後の対応待ちという感じになりそうだ。
今はUbuntu 20.04対応のOTA-20に向けた開発が忙しいと思うので、落ち着いたらPixel 3aもAnboxに対応して欲しいと思っている。
おまけ (pixel 3a はUSB-C to HDMIはサポートしておらず・・・)
Ubuntu Touch をデスクトップ的に使えるのかなーとUSB-C to HDMIを色々と試してみたが、USB接続のマウスは認識するものの*8、HDMI出力される気配がなく、調べてみたら以下のような感じだった。
買う前に調べておけよ! と総ツッコミを受けそうな話だが、ハードウェア的にサポートされていないのなら諦めざるを得ない。。
*1:罠なんじゃないかと思うレベルだが・・・
*2:とむむもその1人だった・・・
*3:何度トライしてもFactoryイメージの書き込み途中でCRCエラーが出るという悲惨な結末が待っている・・・
*4:機種ごとの細い手順が存在しないので、インストール用アプリケーションを実行して初めて知ることになる・・・。
*5:OEMロックはデバイスがアンロックされていたらデフォルトで有効化されているはずだ。
*6:この画面が出ずに何度もFastbootを繰り返した。。。
*7:Qt WebEngineはAppleのWebkitを利用しているので、ブラウザのUserAgent的には、Safariという表示も出てくる。
*8:キーボードは動かず・・・