photo by Sebastiaan ter Burg
どうも、とむむです。
振り返ってみると、とむむがガジェット系のクラウドファンディングに参加するようになったのは2016年3月からなので、最初の出資から約8.5年が経過していた。
当時の状況は以下のエントリーにまとまっているので、まずはこちらを参考にしてもらえるとありがたい。
その後、とむむは2022年まで*1に、Indiegogoで合計10の案件に出資した。
これまでの出資内容と戦績を振り返っておきたい。
GPD社とIndiegogoの蜜月(5件)
とむむ的にも、Indiegogoへの出資 ≒ GPD社への出資というくらいGPD関連の出資の数が多い。
GPD社のクラファンは、とむむの知る限り失敗したことがない。
GPD社に関してはIndiegogoで出資を募った後、開発に成功&製品化の流れができているので、今も日本版よりも安く少しでも早く入手したい人向けとしても活用されているように思う。
GPD WIN 出資(2016年3月)
こちらでも触れているが、当時のGPD社はコントローラ付AndroidゲーミングタブレットであるGPD XDシリーズくらいしか実績がない会社だった。
本当に小型ゲーミングPCを製品化できるのかという疑念もある中、最悪失敗してもいいから、GPD WINの開発/製品化を応援したい! という気持ちでIndiegogoに出資した。
その結果、無事成功したので、ギフトで実機を受け取ることができたし、日本市場でも普通に販売されたので、世の中にUMPC復活の狼煙を上げることができた!
また、これをきっかけに小型ゲーミングPCというジャンルは確立されたと言っても過言ではないと思う。
残念ながら、既に手元にはGPD WINはない*2が、今に至る小型ゲーミングPCの記念碑的なモデルと言えると思う。
GPD WIN 2 出資(2018年1月)
2017年にGPD社への出資がなかったのは、GPD Pocketを見送ったからだ。
どうして見送ったのかは、過去のエントリーで詳しく触れているので参考にしていただきたい。
今から振り返ってもGPD WIN登場のインパクトは非常に大きく、移動中の電車等でも嬉々として活用していたのだが、搭載されているCPUがAtom系だったので非力な点は否めなかった。。
同じくらいのサイズ感でもうちょっと性能が欲しい! という気持ちに応えてくれるかの如く、2018年1月にCore m系を搭載したGPD WIN 2の出資募集が開始されたので、即出資した。
こちらも無事成功したので、ギフトで実機を受け取ることができた。
GPD WIN2のエントリーは特にないが、GPD WIN2は2019年にCore m3-8100Y搭載モデルが発売していた。
GPD WINと似たような話だが、とむむはGPD WIN2もクラファン版を手放して、Core m3-8100Y搭載モデルを買い直していた。
買い直しが必要になるので万人にはオススメできないが、発売済モデルの改良を続けるGPD社の姿勢はとても好感が持てるので、そういった点でも応援してきた。*3
GPD MicroPC 出資(2019年2月)
GPD MicroPCは、RS-232ポートとRJ-45ポートを内蔵するというある種の職業(主にインフラ系、NW系)の方向けに特化したユニークなUMPCだ。
職業柄、この手のUMPCは待望していたので即出資した。
こちらも無事成功したので、ギフトで実機を受け取ることができた。
自宅で諸々の作業する際に重宝しており、Windows 10をWindows 11にアップグレードして今だに愛用している。
ちなみに形状は全く変わらず、Celeron N4100 → Celeron N4120に変更になり、SSDも256GBに強化した「GPD MicroPC 2021」は現行機種として現在も購入可能だ。
「GPD MicroPCも、GPD WINやGPD WIN2みたいにアップデート版に買い換えないの?」と思われそうだが、クラファン版でも性能的に大きな不満はないため、買い直しは考えていない。*4
GPD WIN 3 出資(2021年1月)
2020年にGPD社への出資がなかったのは、GPD WIN Maxを見送ったからだ。
GPD WIN MaxはGPD WIN 2よりも性能的には進化しているのでその点は魅力的だったが、どうしてもあの大きさが気に入らなかった。。*5
そして、2021年に3年ぶりにGPD WINシリーズの正統後継機種であるGPD WIN 3の出資募集が開始されたので、即出資した。
こちらも無事成功したので、ギフトで実機を受け取ることができた。
出資時はGPD WIN 2からは格段に性能アップし、VAIO type UのようなスライダーUMPCでコンセプトがとても気に入っていたのだが・・・。
実際に触ってみたところ、以下の3点を残念に思った。
静電式のキーボードよりボタン式が良かった・・・
→ミスタッチも多いし、複数キーの同時押しはかなり難易度が高い。。スライド式にしたことで本体の厚みがかなり太い・・・
→専用スタンドに置いた時の重量感もかなりのものだった。。持った時の重みやバランスが悪い・・・
→長時間ゲームにするには辛い。。
その時に思ったのは、横持ちのゲーミングUMPCならソフトウェアキーボードの方が適しているし、キーボード内蔵のゲーミングUMPCなら、GPD WIN 2やGPD WIN Maxのようなクラムシェルスタイルの方が諸々のバランスが良さそうだという点だ。*6
GPD WIN 3自体のエントリーはないが、今は亡きWSA(Windows Subsystem for Android)をGPD WIN 3で試したエントリーが存在するが、WSAでGoogle Playが正式にサポートされていれば、それなりに形になっていたのではないかなと思うと、その点は残念に思う。。
GPD XP Plus 出資(2022年3月)
GPD社で久々のAndroidゲーミングデバイスになるGPD XPが発表された際にはコントローラの入れ替えができたり、今までにないかなりユニークなAndoridゲーミングデバイスに仕上がっていたので、かなり心を動かされた。
ただ、相当迷った末に性能面が今一つな点が気になり、出資を見送った。
その後、とむむのような人向け?なのか、性能面が強化されたGPD XP Plusの出資募集が開始されたので、即出資した。こちらも無事成功したので、ギフトで実機を受け取ることができた。
ハードウェアの性能面や通信機能、Andoridのアプリがそのまま動く点は悪くなかったのだが、エミュレータも含めたソフトウェア面の完成度が今一つで、Android OSも含めたアップデートも皆無・・・今時の中華系ゲーム機の方がマシなのではと思えるくらいのお粗末さで閉口した。。
使用頻度が減ってあまり使わなくなったので、結局手放すことにした。
Planet Computers社とIndiegogoの理想と現実・・・(2件)
2022年からIndiegogoの出資を止めている原因にもなっているので、Planet Computers社の話をするのは正直辛い。
辛いが、これもクラファンの現実なのであえて取り上げたいと思う。。
Gemini PDA 出資(2017年2月)
Gemini PDA の出資は、GPD WINでの成功体験が後押しした部分が少なからずあったと思う。
古き良き時代のPDA「PSION」の開発者が起業したというイギリスの何の実績もない会社に出資する = 金をドブに捨てるリスクも十分あったが、かつての「PSION」への憧れもあったので、覚悟を決めて応援することにした。
ドキドキしたが、開発&製品化は無事成功したので、ギフトで実機を受け取ることができた。
Gemini PDAの使用感はエントリーにまとめているので、こちらを参考にしてもらえればと思う。
Astro Slide 5G 出資(2022年1月)
翌年の2018年にPlanet ComputersからCosmo Communicator というGemini PDAの後継機種がIndiegogoで出資を募っていたが、性能的にあまり進化した点がなく、無駄にカメラや通話機能でデカくなった印象だったので、見送ることにした。
こちらも開発&製品化は無事成功しており、日本市場でも普通に売られていたので、店頭やネット販売で見かけた人も多いのではないかなと思う。
さて、Astro Slide 5Gの話に戻そう。
Gemini PDAはそれなりに気に入って使っていたのだが、2つ折りのスマホ「M Z-01K」を安く入手できたので、手放してしまった。
手放した後に物理キーボードのデバイスが欲しくなったので、Cosmo Communicatorの購入も検討したが、5G通信に対応したAstro Slide 5Gが近々出るという話を聞いたので、以下に出資することにした。
コロナ禍ということもあったが、Cosmo Communicatorが日本で販売されるくらいの実績をPlanet Computers社は積んでおり、まさか・・・これが失敗するとは思いもしなかった。。
ちなみに、日本のクラファンのMakuakeでも出資を募っていたようで、Makuakeでも一部の人にしか届いていない模様。。
真偽は定かではないが、今年の4月のコメントで「Makuakeが返金対応してくれるみたい」という書き込みがあったので、Makuakeで出資した人はMakuakeによって救済されているのかも知れない。。
その他の案件(3件)
失敗1件、成功2件である。。
popSLATE 2(2016年3月)
popSLATEという背面にE-Inkを利用したケースが発売済で、その第2弾ということで世間の注目を集め、合計で約1.6億円も出資金を集めた。
だが、、、出資の締切から約1年で「技術的な困難点が見つかり、プロジェクトの継続が困難だと判明したから会社は解散し、返金もできない」という趣旨のレポートが上がり、一方的に終了した。Indiegogoでも指折りの詐欺案件だと思われる。。
相手がクラファンで詐欺するつもりで仕掛けていたら、第2弾、第3弾だから成功の可能性が高まるとかは通用しない例とも言える。。
Kharbon(2019年4月)
Kharbonの出資時は元BOSEのエンジニアが開発するので、かなり先進的なBTイヤフォンに仕上がる!的な触れ込みだったので出資してみた。
開発は成功しギフトも無事届けられたのだが、実際に届いてみたら「性能も音も、まぁまぁだけどこんなものかな?」という感じだった。
BTイヤフォンの性能の進化と低価格が進みつつある頃でもあったので、クラファンの出資額に見合ったリターンという点では物足りなく感じたのだろう。
最近はPixel Buds Proを愛用するようになったので、Kharbonは子供に使ってもらっている。
Minisforum X35G(2020年10月)
コロナ禍でリモートワーク中心になり自宅での作業が増えたので、小型デスクトップPCを新調することにした。
NUCの購入も検討したが今一つピンと来るモデルがなく、比較的安価でコスパのいい内容だったので出資してみた。
開発は成功しギフトも無事届けられたのだが、2020年11月に発売&即購入したMac mini (M1, 2020)で当初の利用目的が変わってしまう事態になった。。
出資当初、Minisforum X35Gはchromebox化する予定だったが、Mac mini (M1, 2020)が想像以上に快適すぎてchromeboxは不要になってしまった。。*7
Indiegogoの戦績(2016年 - 2022年)
2022年までのIndiegogoのクラファンは10戦8勝2敗という結果になっている。
年月 | 案件名 | 戦績 |
---|---|---|
2016年3月 | GPD WIN | ⭕️ |
2016年3月 | popSLATE 2 | ❌ |
2017年2月 | Gemini PDA | ⭕️ |
2018年1月 | GPD WIN 2 | ⭕️ |
2019年2月 | GPD MicroPC | ⭕️ |
2019年4月 | Kharbon | ⭕️ |
2020年10月 | Minisforum X35G | ⭕️ |
2021年1月 | GPD WIN 3 | ⭕️ |
2022年1月 | Astro Slide 5G | ❌ |
2022年3月 | GPD XP Plus | ⭕️ |
2016年3月のpopSLATE2の1敗は最初期でかつ投資額も少なめだったこともあって、良い教訓になったと思っている。
一方で、2022年1月のAstro Slide 5Gは見定めた上での出資と考えていただけに未だにショックは大きい。。
今もAstro Slide 5Gの件があったので、Indiegogoでの出資は停止中のままだ。。
もうAstro Slide 5Gに出資したお金は戻ってこないと思うが、今後のIndiegogoでの出資は金額が低めのものに限定するか、GPD社のようにほぼ絶対に失敗しないくらいの確信が持てる案件にしか手を出さない感じになっていくように思う。。
Indiegogoの話はここまでなので、次回はKickstarterの話をしようと思う。
次回も失敗談も含めてお話する予定なので、お楽しみに!
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*1:ここ2年くらい止めている理由は後ほど・・・
*2:とむむは似たようなマシンを複数持つ主義ではないので、新モデルが出る度に処分しているため
*3:現在も年単位でマイナーアップデート版を発売しているモデルがあるので、その姿勢は変わらぬ印象だ。
*4:2021年モデルは少々スペックアップしただけなのに、円安+値上げでクラファン時の倍以上になっているので、今更手を出すのも微妙感が否めない・・・。
*5:もし、あのタイミングでGPD WIN Miniのクラファンが行われていたら、迷わず出資していたと思う。
*6:GPD WIN 3のガッカリ感で、GDP WIN 4のPSPスタイルにそれなりに惹かれたが、見送ることにした。。
*7:結果的にMinisforum X35Gはクラファンユーザ向けにWindows 10 Proライセンスがもらえたので、Windows 11マシンとして活用中だ。