どうも、とむむです。
そろそろ10月というこの時期だが、先週、個人的にとても興味深いニュースがあった。
これは面白いことになりそうだな。と思い、いい機会なのでポストCentOS8になり得るRHEL8クローンについてまとめてみたいと思う。
CentOS8が今年の年末でサポート終了する・・・
昨年の12月8日に上記の公式ブログで発表された上記の内容がこの件の発端となっている。
ご存じの方も多いと思うので簡単にご紹介すると、CentOSプロジェクトはRHEL8を再構築してリリース及びサポートするCentOS8の活動を今年の12月末で終了するということだ。
以後のCentOS8はCentOSStreamという流動的なパッケージのリリースやアップデートを行うリポジトリでの提供のみとなり、CentOSStreamの立ち位置はRHEL8のリリース前のテストが継続的に行われるということになるようだ。
なお、CentOS7についてはRHEL7と足並みを揃えたこれまで通りのリリースをRHEL7のサポート終了まで継続する模様だ。
CentOS8の受け皿をめぐる戦い
Oracle Linux
Oracle DBの標準ディストリビューションとしてだけではなく、RHELからの乗換えを積極的に取り込もうとしてきたOracle社のRHELクローンがOracle Linuxだ。
CentOS8のサポート終了の発表前からサポート不要であれば、ユーザ登録だけでOSのダウンロードやリポジトリの利用が無償で可能なRHELクローンとして、そこそこ認知されている。*1
今回のCentOS8のサポート終了に対しても、CentOSからの移行手順や移行スクリプトまで準備するという力の入れようだ。
Oracle Linuxは14年以上ものRHELクローンとしての歴史もあり、今後もサポートは継続すると思われる。
ポストCentOS8としてOracle Linuxは最有力候補の1つだと思う。
AlmaLinux
ホスティングサービス向けに提供されてきた商用LinuxディストリビューションのCloudLinux OSの開発元であるCloudLinux社が2021年3月末から提供を始めたRHELクローンがAlmaLinuxだ。
CentOSプロジェクトの発表を受けて、RHEL8.3のクローンであるAlmaLinux8.3を2021年3月30日にリリースした。
次のマイナーバージョンであるRHEL8.4のリリースからの追随は、僅か8日足らずでAlmaLinux8.4をリリースしており、RHEL8クローンの中で最速だった。
AWSやMS Azureといったクラウド事業者だけではなく、arm、EQUINIXといった会社からも支援を受けているようだ。CloudLinux社の後ろ盾もあり、AlmaLinuxは有力な候補と言えそうだ。
RuckyLinux
CentOSの創設者が立ち上げたRHELクローンがRuckyLinuxだ。
2020年12月8日の発表を受けて直ぐに動き始めたので、Linuxコミュニティ界隈の印象は非常に良かった。
しかし、最初のバージョンであるRuckyLinux8.4のリリースに少し手間取ったため、リリースは6月21日だった。
RuckyLinuxの支援には、AWSやMS Azure以外にも、GCPも加わっている。
会社組織のバックアップなく、完全にコミュニティに依存しているので、RedHat社の傘下になる前のCentOSのようにならないかなと少し心配している。
その点を考慮すると、RuckyLinuxはもう少し実績を積むまで様子見した方が良さそうだ。
Miracle Linux
あの商用のRHELクローンも参戦するのか、と少し驚いた。
冒頭の繰り返しになるが、商用のRHELクローンのディストリビューションだったMiracle Linuxが無償でOSライセンスの提供を始めるというニュースのことだ。
国産ディストリビューターとして初めてRHELクローンの無償提供を行うことになり、リリースは10月4日から開始される。
詳細は明らかになっていないが、元は有償のRHELクローンなので、実績を積むまで様子見だが可能性をすごく感じる。
まとめ
現時点でCentOS8の後継となるRHEL8クローンの選択肢のうち、有望そうなものを順番に並べるとこんな感じになりそうだ。
Oracle Linux >> AlmaLinux > Miracle Linux >> LuckyLinux
10/4のMiracle Linux 8.4のリリース内容次第では、一気にAlmaLinuxと同等になるかも知れないと思っている。
年末に向けて、しばらくはウォッチしていきたいと思う。